京都 蔵丘洞画廊

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絵と人に出逢う

井上有一展での出逢い

2017年4月

いつものことですが、なかなか更新してなくて反省しています。

井上有一展を今年も開催していますと様々な方と出会いがあります。何といっても驚くのは街を歩いている中国人の方が多いという事実です。もともと西洋人は美術を見るのは常識の範囲なので、普段からよく通りがかりに立ち寄るという人が多いですが、この度は中国人の方が偶然に有一展をやっていて驚いた!と言ってたくさん画廊に入ってきます。

有一没後30年が経過している間に中国の小さな美術館などで10回に亘り彼の展覧会が開催されているということは聞いていましたが、昨年あたり一般の中国人の方に尋ねましたところ、まだあまり知られていないという実感でした。しかし今回来た人は書家の方だそうで、道理で知っているのだと腑に落ちました。その後来た中国の方は北京の一般の人でしたので、有一を知っている?と尋ねましたら、最近有名です、との応え。また別の中国の方は、自分にこの展覧会を中国の美術館で紹介させてくれと言います。

勿論著作権者の了解がないといけませんので当方で判断は出来ませんが、なぜお金にならない観せるだけの展覧会をしたいのかと聞きますと、その企画をすることで自身の名誉になるというようなことを話されます。先の書家の方に聞いた、中国の前衛書道家で有一を知らない人はいません。彼はまるでバイブルです。という話と符合して、思わず嬉しくなりますが、専門家から一般の美術愛好家に彼の仕事が認知されていく日が近いことを予感される出会いでした。