-孤高の仕業- 上田泰江展
『 2月 』 ( 50F )( 91 × 116.7 cm )
『 消えそうな記憶 』 ( 10F )( 45 × 53 cm )
抽象画を前にした悩みは、それが何であるか判別できると、たちどころに気が晴れる程度のものである。しかし作家の悩みは、簡単に見抜かれるような柔なものを上から塗り潰し、芸術になるか否かを自問する作業らしく、厄介のレベルが違うのである。鑑賞は謎解きで対峙するものではなさそうだ。
かくして悪戦苦闘の痕跡、はたまた冷静簡素な趣。まるで転調されたコンチェルトのよう。様々な表情を持ちながら、どの画面からも漂う“音”そのものが心地よい。
誰に見せる為でもなく、何も望まず描き続ける85歳。
美を愛するものに巡り会わされる幸せをふたたび。
蔵丘洞主人敬白
開催概要
-孤高の仕業- 上田泰江展
- 日時:
- 4 月 4 日( 土 ) ~ 4 月 18 日( 土 )
10:30 AM - 6:30 PM 会期中無休 - 会場:
- 京都・蔵丘洞画廊(〒604-8091京都市中京区御池通寺町東入ル)