上田泰江展 -83 歳の日常-
『虫たちの空間』 20 F( 72.7 × 60.6 cm )
今年の2月26日に84歳になる上田泰江は綾部の田舎、山裾の農地に暮らす画家。
もともと彼女は染色を志していた。
40年以上前、美しい色の染色作品に混ざり東京でグループ展をしていた際に、人から『こんな作品は売れないでしょう』と言われ、”美しいもの” について考えるところがあり、現在のようなアクリル系の作品表現に移行したという。
その後、新宿にあった杏美画廊に見出され、脇田和・野見山暁治・宮崎進らと共に此処を舞台に展覧会発表を続けました。
作品の表現は今も変わらず、自給自足的な農耕生活のなかから得た叢の空気や土の香り、小さな虫などの表情を思い浮かべながら描く。
作品は自己表現。
人に伝える意味合いもあるが、分かり易さや説明、流行などとも無縁のものであくまで言いたいことや、見せたいことにフィルターを幾重にも重ね、器用さ、小奇麗さを嫌う。
そして毎日眺めて、気持ちの良いものに成ったときに完成したことにすると言う。
画壇と無縁で、日々表現に自然を掬い取れるかを自身に課し続け、独りひっそりと暮らす老人の仕事に何より貴重な芸術評価を与えたいものです。
『ヨコタの空の下』 40 F( 100 × 80.3 cm )
『ヨコタの空の下』 6 F( 40.9 × 31.8 cm )
『静物』 10 F( 53 × 45.5 cm )
開催概要
上田泰江展 -83 歳の日常-
- 日時:
- 2014 年 2 月 8 日( 土 ) ~ 2 月 22 日( 土 )
10:30 AM - 6:30 PM 会期中無休
初日8日(午後より)、9日作家在廊 - 会場:
- 京都・蔵丘洞画廊(〒604-8091京都市中京区御池通寺町東入ル)