身近な名品展
榎 俊幸 『プラネタリウム』 50M
『身近な名品展』に寄せて
名品とは一般的にその作家の美術史的な業績が同時代の作家と比べられます。そして選ばれた作家が生涯に生み出した作品のなかより更に約1割の秀作が選別され、その中で最大の業績となるであろう作品に与えられた歴史的称号です。
歴史を顧みるとき、多くの画家の仕事は生涯に約2回のピークが確認できます。
作家は無意識に芸術の領域と品性をその初期に示すものですが、それらの作品
のなかに生涯無比の大胆で、しかも繊細なエネルギーが凝縮されたものを見出
すことがあります。
そこにはその後の完成度・充実期のそれとは明らかに違った魅力が放香されています。
今展の表現『身近な』は私どもが近しくその仕事に親しんでいるという意味で、今回の企画は現在活躍中の作家によるものです。
彼らの二度目を判断するのは時期尚早と申せますが、この時代にあって間違いなく既に金字塔となるであろう仕事を見せてくれています。
表現分野、有名無名、年齢性別、現時点の評価序列でなく、展示作品から芸術のエネルギーを汲み取り、彼らや身近に現代を生きる作家たちの仕事を俯瞰し応援して頂きたいと思います。
蔵丘洞主人敬白
絹谷幸二 『自画像』 30F
菅原健彦 『久保桜』 106 × 180 cm
作品展示作家名
半田 強 絹谷幸二 筧 本生 榎 俊幸 原 崇浩 菅原健彦 岸野 承 他(順不同、敬称略)
開催概要
身近な名品展
- 日時:
- 5 月 12 日( 土 ) ~ 6 月 9 日( 土 )
会期中 6 月 1・2・3 日休廊 - 会場:
- 京都・蔵丘洞画廊(〒604-8091京都市中京区御池通寺町東入ル)