- 嘉辰令月 - 服部しほり展
『 鶏図 』 72.7 × 50 cm
浮世絵、春画、大津絵、禅画はいうまでもなく、伊藤若冲や曾我蕭白のように、或いは宮廷画家であった狩野永徳においてさえ大胆闊達に独自の美 意識を表現した時代があったことを再認識する昨今であります。
ところが近代は床飾りとしての美しさ、装飾性を中心としたものが殆どで、どの作家が描いたものかは落款を見ないと判断できないくらい類型化されたものが馴染みとなっています。
運筆を習得しない時代に在りながら、服部しほりは筆の線による日本画を復権する逸材です。
まるで江戸期か近未来か、渾然としたかの自由な夢想に筆を走らせた一見奇異な画面に宿る品格は何なのでしょう。床の間に飾る装飾にちょうど良いという小市民的美術の枠を飛び越える絵画は、私たちに飾る勇気と日本美術を豊かに育てる気概を試しているのでしょうか。
デビュー以来、世代を超えて戴くご支援に半信半疑から確信へと意を強くしています。自由で豊かな日本美術の第2幕が上ることを。
蔵丘洞主人敬白
開催概要
- 嘉辰令月 - 服部しほり展
- 日時:
- 2016 年 5 月 17 日( 火 ) ~ 5 月 27 日( 金 )
10:30 AM - 6:30 PM 会期中無休 - 会場:
- 京都・蔵丘洞画廊(〒604-8091京都市中京区御池通寺町東入ル)