絵と人に出逢う
秋の深まりのなか石正美術館へ
2015年11月
秋の深まりのなか、島根県浜田市三隅町にある石正美術館へ出かけました。
ここは先日95歳で亡くなりました京都市立芸術大学名誉教授で日本画家の石本正先生の故郷で、市立の美術館。
この企画室で榎俊幸、中堀慎治両氏の展覧会を観る目的でした。国道を外れ、まるでゴルフ場の入り口かという引き込み道路の先に瀟洒な建物が登場。決して大きくなく、地域にふさわしい規模の美術館。入り口脇のコーヒーショップで遅い昼食。しょっぱいシラスのピラフはイマイチだったが、地域にこだわる食材に拘るところは評価したい。
展示室は一部屋で小作品が半数でしたが、榎氏が初期より神秘的でロマンに満ちた画世界を持っていたこと。中堀氏が今日の絵画スタイルを確立していく過程が技術の習得とともに、興味深く拝見できました。
絵画を描くのに技術面は勿論ですが、画家の内にどれだけの知識や想像力を湛えているかが資質として重要なことだと再認識しました。
子供のころから興味あることに夢中になる時間や、直接美術と関係のない世界も体験しておくことが画家になる大切な要素であろうと。
どんな田舎であれ、画家にこのような機会が与えられ自身を振り返る機会を持てることは幸せなこと、私も観者として記憶に残る旅となりました。